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院長のぐぶやき「しくれのんどりーむ」

『バナりんごの香り』(2人の小人さん物語)

2013年10月 6日 |

〔お伽噺です〕   

ぼくの名前は、ピッピ・ユリウスです。わたしの名前は、ピッピ・メリーです。

あとは、ぼくが話します。ぼくとメリーは2卵性双生児で、ぼくが兄、メリーが妹です。顔はあまり似ていません。よく喧嘩をしますが、すぐに仲直りします。ぼくたちのご主人さまはとても優しい人です。最近、メンタルクリニックを開院して忙しそうです。実は「院長のつぶやき」は、ぼくたちが打ってるんですよ。これ内緒です。ご主人さまが眠って夢(たいてい競馬の夢なんですが・・)を見ている間に、ぼくはご主人さまの右の耳からそっと出ていきます。そして任務を済ませると、今度は反対の耳、すなわち左の耳から入っていきます。2卵性双生児の妹・メリーは、左の耳からそっと出て、右の耳からそっと入っていきます。任務の内容によって、一人だけ出る時と、二人出る時があります。たいていの場合、ぼく一人、出て行ってパソコンに向かいます。ぼくの大きさは一定ではありません。小さくなったり、大きくなったりするんです。ご主人さまの耳から出てくる時は身長約1cmですが、出るとすぐ鶏卵大(数cm)になります。あとは、ボーリングのピンぐらいの大きさまで変化することができます。ぼくの姿は人間とほぼ同じです。でも、任務によっては、指が膨らんだり、伸びたりします。ぼくの主な任務は書類作成です。ご主人さまの仕事は書類が多くて大変なんです。ご主人さまは真面目だから、たいてい自分で頑張って書類を書きます。ワープロ対応している書類はパソコンに向かってひな形に打ちます。ぼくの出番は、ご主人さまがやり残した時です。ご主人さまが夢(たいてい競馬の夢なんですが・・)を見ている間に、ぼくはご主人さまの右の耳からそと出ていきます。ふだんは鶏卵大(数cm)で過ごします。便利なのは、手足、それに指が自由に膨らんだり伸びたりすることです。器用ですよ。大きくなった右手にボールペンを持って書類に向かいます。右手が疲れたら、今度はボールペンを左手に持ち替えて書類に向かいます。書くスピードはご主人さまと同じです。でも、ご主人さまが夢(たいてい競馬の夢なんですが・・しつこい)を見ている時間は長いので、ゆっくり書けます。パソコンに向かう時は、書類のひな型がある場合です。ぼくがパソコンに向かってキー操作している光景は一見の価値ありですよ。指先がキーを打つのに便利な大きさに膨らみ、左右各5本の指が伸びたり縮んだりして器用にキーを打つんですよ。パソコンのキー操作のスピードは、ご主人さまの約10倍です。早いですよ。ぼくは魔法が使えるんですが、魔法で書類を一瞬のうちに作成することはしません。ボールペンを持ったりキー操作をするのが楽しいんです。ぼくはなんでもほぼ完璧にできますが、それでも出来るだけ人間らしい書類にするために気を遣ってるんですよ。訂正印が必要な個所をつくったり、だれでも気づく簡単なミス個所を作ったりします。あくまでもご主人さまが作成した書類でないといけないのですから。ぼくはご主人さまのことはすべて知っています。ご主人さまが心のなかでつぶやいていること、すべて聞いていますから・・・当然ですね。ぼくの服装は、いろいろと変わりますが、たいてい「胴は白地にピンクの襷、袖は白地に黄色縦3本」(これ俗にいう競馬の勝負服です)の上着を着ています。帽子は三角帽です。ぼくは白色、妹のメリーはピンクです。自分でいうのも変だけれど、ぼくが妹と手をつないでいる姿はかわいいですよ。ぼくはご主人さまが大好きです。最近、メンタルクリニックを開院したばかりで、患者さまが少なく診察した気がしないと、やや欲求不満気味ですが、ぼくはご主人さまを応援しています。ご主人さま、安心してください、やり残した書類作成はぼくたちが処理しますよ。「院長のつぶやき」も任せておいて下さい。どんどん打ちますよ・・・・・・・・、・・・・・・・・・

〔お伽噺 第1話でした〕 

GI第92回凱旋門賞(ロンシャン競馬場、芝・2,400m)は、3歳牝馬トレヴ(鞍上ジャルネ騎手)が直線抜け出して快勝しました。期待された日本馬2頭は、スミヨン騎乗オルフェーブル 2着、武豊騎乗キズナ 4着でした。最終4コーナーを回ったあたりで、いい雰囲気だったので期待したのですが・・・勝ったトレヴがあっさりと抜け出しました。日本馬2頭は2着、4着とはいえ、完敗です。やはり世界の壁は厚い・・・・・う~ん。あとは、夢の中で悔しがりたいと思います。ピッピ・ユリウスくん、ピッピ・メリーさん、「院長のつぶやき」任せたよ。

 

Cyclennon  Point : 0(0)     131006     Heart  &  Romanticism  By  CyclennonDream         トレジャーくん、最近、寝室で眠る前に、横たわっているパパのお腹の上に立って乗るようになりました。パパを踏み台にしてアルミサッシの窓の外を見ています。「六甲ライナー、きた」「おフネ、いる」「パトカー、いない」「トラック、いる」「ピーポー、きた」(六甲アイランド甲南病院の近くなんで、よく救急車がサイレンを鳴らして通過していきます)。トレジャーくん、パパのお腹の上に乗るのは、腹筋が鍛えられていいけれど、パパの顔を踏んづけるのはやめてください。小人さんに言いつけますよ。

 

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