院長のぐぶやき「しくれのんどりーむ」

凱旋門賞 2014.10.5.

2014年9月28日 |

  『世界最高レース・仏GI 凱旋門賞(ロンシャン競馬場)に挑戦した日本馬のお話』

  1969年(昭和44年)スピードシンボリ(騎手・野平祐二、調教師・野平省三)が凱旋門賞に挑戦した。着順は?「記録なし」(当時は11着以下は公式記録なし)。当時は、海外遠征のシステムが確立されておらず莫大な費用がかかった。さらに、外国馬との実力差が大きく、賞金を獲得する可能性は低かった。すなわち、個人馬主が、夢を追って、愛馬を凱旋門賞に出走させるには、あまりにも負担が大きかった。その上、残念ながら日本国内での報道は少なく、競馬ファンの関心も低かった。凱旋門賞挑戦は、大手オーナーブリーダーによる資本のバックアップが背景にあって初めて実現可能であった。スピードシンボリに続いて 1972年(昭和47年)メジロムサシ(騎手・野平祐二、調教師・大久保末吉)、1986年(昭和61年)シリウスシンボリ(騎手・M・フィリッペロン、調教師・二本柳俊夫)が挑戦する。結果は、メジロムサシ 18着、シリウスシンボリ 14着、惨敗だった。あまりにも実力差がありすぎた・・・13年後、エルコンドルパサーが日本の競馬関係者に希望の光をもたらす。平成の時代になって11年、1999年(平成11年)エルコンドルパサー(騎手・蛯名正義、調教師・二ノ宮敬宇)が夢に挑む。初めて個人馬主としての挑戦だった。このレースは後世に語り継がれる。日本人ホースマン、競馬ファンが夢見る世界制覇が現実味を帯びた歴史的瞬間だった。エルコンドルパサー 2着・・・レースは押し出される形でハナに立った、道中は折り合いに専念してマイペースに持ち込む、抜群の手応えで最後の直線へ、残り 300m、後続に 2馬身差をつけて先頭・・・あとは栄光のゴールへ、誰もが勝利を意識したラスト 200m、フランス・ダービー馬モンジュ―が強襲・・・2頭、壮絶な叩き合い、エルコンドルパサーは交わされながらも必死に食らいつく・・・粘る、粘る、差し返せ・・・しかし、半馬身届かなかった・・・ 2着。2着に敗れはしたが、斤量差(エルコンドルパサー 59.5Kg、モンジュ― 56.0Kg) 、3着馬につけた 6馬身差( 4着はさらに 5馬身差)を考えれば、エルコンドルパサーがロンシャン競馬場で残した蹄跡は永遠に色褪せることはない。この快挙で日本国内での報道が大々的になり競馬ファンの凱旋門賞への関心が高まった。2002年(平成14年)マンハッタンカフェ(騎手・蛯名正義、調教師・小島太) 13着、2004年(平成16年)タップダンスシチー(騎手・佐藤哲三、調教師・佐々木晶三) 17着。・・・そして史上最強馬・「英雄」ディープインパクト登場。2005年史上6頭目の三冠馬になったディープインパクトが凱旋門賞に挑む。話題になった。ディープインパクトの挑戦は、競馬ファンの枠組みを超えて日本人全体の関心事になった。NHKの生中継は深夜帯にもかかわらず、瞬間最高視聴率は30%近くに達した。ディープインパクト(騎手・武豊、調教師・池江泰郎)。その夏、国際競馬統括機関連盟(IFHA)から発表された上半期(1月1日~7月10日)の「トップ50 ワールドリーディングホース」で日本馬として初めて 1位タイの評価を受けていた。世界が認めた最強馬だった・・・だが、歴史の扉は開かなかった。今度こそ絶対に勝てる、日本の競馬ファンは、武豊騎乗ディープインパクトが栄光のゴール板を駆け抜ける光景を想像した。しかし、それは、失望、屈辱に変わる。まさかの 3位入線・・・ディープインパクトは好スタートから前へ、武豊騎手がなだめながら先頭に立つ、しかし、いつもの走りと較べて脚色が鈍い、直線、レールリンクの強襲に屈し、最後はプライドにも交わされて 3着。日本人ホースマン、競馬ファンは失望した、最強馬でも勝てないのか・・・。さらに追い打ちをかけるように、レース数日後にはディープインパクトの体内から禁止薬物のイプラトロピウムが検出され、失格処分が下された。勝てなかったうえに失格、大きな衝撃だった。しかし、この敗戦が日本のホースマンに再び闘志の火をつけた。挑戦は続く。2008年(平成20年)メイショウサムソン(騎手・武豊、調教師・高橋成忠) 10着。2010年(平成22年)ナカヤマフェスタ(騎手・蛯名正義、調教師・二ノ宮敬宇) 2着、ヴィクトワールピサ(騎手・武豊、調教師・角居勝彦) 7着( 8位入線)。エルコンドルパサー以来のナカヤマフェスタ 2着。日本馬はホースマンたちの努力で確実に強くなっている。2011年(平成23年)ヒルノダムール(騎手・藤田伸二、調教師・昆貢) 10着、ナカヤマフェスタ(騎手・蛯名正義、調教師・二ノ宮敬宇) 11着。そして、第7代三冠馬誕生、オルフェーブル。今度こそ・・・しかし・・・2012年(平成24年)オルフェーブル(騎手・スミヨン、調教師・池江泰寿) 2着。アヴェンティーノ(騎手・クラストゥス、調教師・池江泰寿)  17着。2013年(平成25年)オルフェーブル(騎手・スミヨン、調教師・池江泰寿) 2着、キズナ(騎手・武豊、調教師・佐々木晶三) 4着。 2年続けてオルフェーブル 2着・・・やはり勝てないのか・・・でも、諦めない。

  2014年(平成26年)今年は 3頭が世界最高レース・凱旋門賞に挑戦する。ゴールドシップ(牡 5歳)、ジャスタウエイ(牡 5歳)、ハープスター(牝 3歳)。歴史の扉を開くのは、どの馬か・・・・

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  神戸市東灘区医師会第5回広報・医報編集部会(移動部会) 9月27日(土) 18:30~21:00   会場:BARGANCHAN(バルガンチャ) 東灘区岡本1-2-4  本山ランドリービル 2階(JR摂津本山駅山側) 参加者19名    

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